コンテンダー


 2018.4.21      不倫スキャンダルで転落 【コンテンダー】

                     
コンテンダー [ ニコラス・ケイジ ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
政治家コリンの飛躍と転落の物語だ。原油流出事故を早期に解決しようと活躍するコリン。孤軍奮闘するコリンをメディアは注目の政治家として報道する。将来の上院議員を目標としていたコリンだが…。不倫疑惑によりあっけなく転落する

どこの世界も不倫バッシングはすさまじい。そして、一度転落するとなかなか這い上がることはできない。地元民や有力者との関係や、妻との関係。驚いたのは、コリンの妻は不倫を責めず、コリンが落ちぶれ辞職することを非難する。有力政治家の周辺というのは、異常な状態なのだろう。陰謀に巻き込まれたコリンがどのように再起していくのか。ちまたの政治家の浮き沈みを見ているようだ。

■ストーリー
2010年メキシコ湾原油流出事故を舞台に、市民の為に早期解決に努める政治家コリン・プライス(ニコラス・ケイジ)は次の選挙を視野に入れ活動していた。その中で起きてしまった、セックス・スキャンダルでキャリアも妻も全てを失い、極限まで追い込まれていく。それでも、彼は再起をかけ上院議員選をめざし動き出す。だが、その先には更なる陰謀が待ち受けていた――。

■感想
政治家は不倫がバレると、それだけでキャリアも全て失ってしまう。政治家でなくもと、有名人であれば不倫は大きなマイナスポイントだ。まして正義の政治家として大企業に対して原油流出事故の住民に対する保証を訴えてきた男なだけに、イメージの失墜は逃れられない。

そんなコリンには、元有力政治家である父親や、コリンが登りつめることを何より考える妻の存在がある。権力欲というか、コリンの妻の権力に対する執着は、コリンの不倫なんてどうでもよいと思わせる力がある。

ネット時代の現在では、コリンの不倫の映像がネットニュースで流れると、それだけで一気に周りから叩かれることになる。初期のコリンは登りつめるために原油流出事故にしゃしゃりでたのかと思えたが、実は心底地元住民のことを考えての行動だとわかる。

バッシングされた時には、おとなしくしているのが一番のはずが、コリンは原油流出事故の対応をやめようとはしない。そして、そんなコリンをさらにはめようとする陰謀が企てられている。世間の政治家のイメージとは、メディアに出ている部分だ。その裏では非常に泥臭いやりとりが繰り返されているのだろう。

綺麗ごとを言う正義の政治家は、裏で何をしているのかわからない。コリンに対して地元民は、コリンが不倫をしたことについて、「犯罪を犯したわけじゃない」と言う。地元民にとっては、コリンがささいなことで失脚するよりも、政治家を続け自分たちのために補償金を大企業からぶんどってもらいたいという思いが強い。

原油流出事故とは関係ない人々は、正義の政治家のスキャンダルを決して許さない。立場が変わればこうも論調が変わるのかという良い例だ。

コリンの正義の情熱は、結局のところ陰謀によって思わぬ方向へとすすむことになる。



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